一般的にキリスト教式で贈るお花は、生花であれば仏式に準じた籠花やスタンド花で差し支えありません。
キリスト教のみに使われる弔花のスタイルもいくつかありますが、仏式や神式になれているほとんどの日本人にとっては、このような花の使い分けが難しくなります。オーソドックスなバスケットフラワーでしたら弔花として比較的贈りやすいでしょう。

教会での葬儀ミサの場合
知人、関係者がお花を贈る際は、代表的な弔花のスタイルのバスケットフラワー(籠花アレンジ)で、故人の自宅に贈るのが原則です。
故人の枕辺に供えられた後、小ぶりなものは、教会や斎場に持ち運ばれ祭壇に飾られます。
直接教会へ贈る場合には、注意が必要です。司祭（カトリック）や牧師（プロテスタント）が取り仕切るため、事前の確認が必要です。宗派や教会ごとの慣わしがあるため、司祭や牧師の指示を仰ぐのが良いでしょう。協会側で決まった花屋を指定されることもあるため、弔花を贈る前に教会側へ確認の相談をしましょう。
一般的には、キリスト教の葬儀ミサへ贈る弔花は、仏式に準じた籠花（バスケットフラワー）やスタンド花で差し支えありません。ただし、仏式と異なり、キリスト教式では名札を付けないのが通常マナーです。柩の周りには、札やカードを取り除いた花のみを置くのがキリスト教式の伝統です。

葬儀から以降の場合
キリスト教式でも、初七日、四十九日、年忌法要（一周忌、三回忌・・・）といった仏式の慣わしに合わせて、追悼ミサを捧げることがあります。
お花を贈る場合には、仏式に準じたバスケットフラワーで良いでしょう。

バスケットフラワーで使われるお花は、一般的には仏式の「枕花」と特に違いや決まり事がありわけではありませんが、教会や斎場へ持ち運べるようコンパクトにするのがマナーです。
お花の種類も特別なものではなく、枕花とおなじような花材が用いられます。傾向としては、仏式で多く用いられる輪菊（白や黄色の大きな和菊）は敬遠され気味です。白いユリやカーネーション、バラなどがよく使われます。バスケット以外にも花器に活けたアレンジメントを自宅宛に贈ります。
会社の同僚や仲間が共同で贈る場合は、ファイアサイド・バスケットと呼ばれ、葬儀が営まれる斎場や礼拝堂へ贈ります。

知人、友人、関係者（遺族以外）が贈る「バスケットフラワー」(籠花)
もっとも代表的なスタイルとして、バスケットフラワーを故人の自宅に贈るのが基本原則です。日本の仏教でいうとことの「枕花」と同じような意味にあたりま す。バスケットフラワーは、コンパクトにまとめ小ぶりの籠で持ち運びが容易で、故人の枕元に供えられたあと、教会や斎場に運ばれて祭壇に飾られます。

肉親や友人、教会仲間が贈る「クロス」（十字架）
キリスト教式に欠かせない花飾りが「クロス」です。クロスは柩の内側に留めて取り付けるものや、イーゼルに立て飾るものがあります。クロスの種類や使い方は一様ではないので、厳密なものを用意したい場合は、司会の司祭や牧師の判断を仰ぐことが大切です。

親族やとくに親しい間柄の友人が贈る「ハート」
永遠の愛と追想の象徴として故人へ贈ります。
イーゼルに立て掛けて飾るのが一般的です。ハートには、外枠だけを花で飾る「オープンハート」、全体をお花で埋めて飾る「フルハート」「クッションハート」と呼ばれるアレンジメント、大小のハートを組み合わせた「ダブルハート」などの種類があります。

初七日から四十九日、年忌法要といった日本の慣習に合わせて法事の代わりに追悼ミサを捧げる場合もあります。特に花を贈る必要はありません。お花を贈らないときは、通常のし袋に「お花料」としてお金を包み遺族に差し上げます。